〈国語〉
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2025年08月26日(火)06:30更新
☆ 日本語(にほんご、にっぽんご[注釈 3])は、日本国内や、かつての日本領だった国、そして国外移民や移住者を含む日本人同士の間で使用されている言語。日本は法令によって公用語を規定していないが、法令その他の公用文は全て日本語で記述され、各種法令[注釈 4]において日本語を用いることが規定され、学校教育においては「国語」の教科として学習を行うなど、事実上日本国内において唯一の公用語となっている。
使用人口について正確な統計はないが、日本国内の人口、及び日本国外に住む日本人や日系人、日本がかつて統治した地域の一部住民など、約1億3,000万人以上と考えられている[7]。統計によって前後する場合もあるが、この数は世界の母語話者数で上位10位以内に入る人数である[8]。
特徴
日本語の音韻は、「っ」「ん」を除いて母音で終わる開音節言語の性格が強く、また標準語(共通語)を含め多くの方言がモーラを持つ。アクセントは高低アクセントである。
なお元来の古い大和言葉では、原則として
「ら行」音が語頭に立たない(しりとりで『ら行』で始まる言葉が見つけにくいのはこのため。『らく(楽)』『らっぱ』『りんご』『れい(礼)』などは大和言葉でない)
濁音が語頭に立たない(『だ(抱)く』『どれ』『ば(場)』『ばら(薔薇)』などは後世の変化)
同一語根内に母音が連続しない(『あお(青)』『かい(貝)』は古くは『あを /awo/』, 『かひ /kapi/』)
などの特徴があった(「系統」および「音韻」の節参照)。
文は、「主語・修飾語・述語」の語順で構成される。修飾語は被修飾語の前に位置する。また、名詞の格を示すためには、語順や語尾を変化させるのでなく、文法的な機能を示す機能語(助詞)を後ろに付け加える(膠着させる)。これらのことから、言語類型論上は、語順の点ではSOV型の言語に、形態の点では膠着語に分類される(「文法」の節参照)。
語彙は、古来の大和言葉(和語)のほか、漢語(字音語)、外来語、および、それらの混ざった混種語に分けられる。字音語(漢字の音読みに由来する語の意、一般に「漢語」と称する)は現代の語彙の一部分を占めている。また、「絵/画(ゑ)」など、もともと音であるが和語と認識されているものもある。さらに近代以降には西洋由来の語を中心とする外来語が増大している(「語種」の節参照)。
待遇表現の面では、文法的・語彙的に発達した敬語体系があり、叙述される人物どうしの微妙な関係を表現する(「待遇表現」の節参照)。
日本語は地方ごとに多様な方言があり、とりわけ琉球諸島で方言差が著しい(「方言」の節参照)。近世中期までは京都方言が中央語の地位にあったが、近世後期には江戸方言が地位を高め、明治以降の現代日本語では東京山の手の中流階級以上の方言(山の手言葉)を基盤に標準語(共通語)が形成された(「標準語」参照)。
表記体系はほかの諸言語と比べて極めて複雑かつ柔軟性の高さが特徴である。漢字(国字を含む。音読みおよび訓読みで用いられる)と平仮名、片仮名が日本語の主要な文字であり、常にこの3種類の文字を組み合わせて表記する(「字種」の節参照)[注釈 5]。表音文字で表記体系を複数持つため、当て字をせずに外来語を表記することが可能だが、ラテン文字(ローマ字)やギリシャ文字(医学・科学用語に多用)などもしばしば用いられる。また、縦書きと横書きのどちらでも表記することが可能である(表記体系の詳細については「日本語の表記体系」参照)。
音韻は「子音+母音」音節を基本とし、母音は5種類しかないなど、分かりやすい構造を持つ一方、直音と拗音の対立、「1音節2モーラ」の存在、無声化母音、語の組み立てに伴って移動する高さアクセントなどの特徴がある(「音韻」の節参照)。
分布
成田国際空港到着ゲートの看板(2010年当時)
他言語は日本入国を歓迎する文言になっているのに対し、日本語は「おかえりなさい」と帰国を労う表現となっている。
日本語は、主に日本国内で使用される。話者人口についての調査は国内・国外を問わずいまだないが、日本の人口に基づいて考えられることが一般的である[10][注釈 6][注釈 7]。
日本国内に、法令上、日本語を公用語ないし国語と定める直接の規定はない。しかし、法令は日本語で記されており、裁判所法においては「裁判所では、日本語を用いる」(同法74条)とされ、文字・活字文化振興法においては「国語」と「日本語」が同一視されており(同法3条、9条)、その他多くの法令において、日本語が唯一の公用語ないし国語であることが前提とされている。また、法文だけでなく公用文はすべて日本語のみが用いられ、学校教育では日本語が「国語」として教えられている。
日本では、テレビやラジオ、映画などの放送、小説や漫画、新聞などの出版の分野でも、日本語が使われることがほとんどである。国外のドラマや映画が放送される場合でも、基本的には日本語に訳し、字幕を付けたり声を当てたりしてから放送されるなど、受け手が日本語のみを理解することを前提として作成される。原語のまま放送・出版されるものも存在するが、それらは外国向けに発表される前提の論文、もしくは日本在住の外国人、あるいは原語の学習者など限られた人を対象としており、大多数の日本人に向けたものではない。
日本国外では、主として、中南米(ペルー[13]・ブラジル[13]・ボリビア・ドミニカ共和国・パラグアイなど)やハワイなどの日本人移民の間に日本語の使用がみられる[注釈 8]が、3世・4世と世代が下るにしたがって非日本語話者が多くなっているという[14]。また、太平洋戦争の終結以前に日本領ないし日本の勢力下にあった台湾総督府の台湾・旧南洋庁の南洋諸島(現在の北マリアナ諸島・パラオ・マーシャル諸島[15]・ミクロネシア連邦)などの地域では、日本語教育を受けた人々の中に、現在でも日本語を記憶して話す人がいる[16]。台湾では先住民の異なる部族同士の会話に日本語が用いられることがある[17]だけでなく、宜蘭クレオールなど日本語とタイヤル語のクレオール言語も存在している[18]。
また、パラオのアンガウル州では歴史的経緯[注釈 9]から日本語を公用語の一つとして採用している[19][注釈 2]が、現在州内には日本語を日常会話に用いる住民は存在せず、象徴的なものに留まっている[20][注釈 10]。
日本国外の日本語学習者は2021年調査で379万人にのぼり、中華人民共和国の約105万人、インドネシアの約71万人、大韓民国の約47万人、オーストラリアの約41万人、タイの約18万人が上位となっている。地域別では、東アジア・東南アジアで全体の学習者の約8割を占めている。日本語教育が行われている地域は、141か国・地域に及んでいる[24]。また、日本国内の日本語学習者は、アジア地域の約16万人を中心として約19万人に上っている[25]。
→詳細は「日本語教育」を参照
系統
「日本語」の範囲を本土方言のみとした場合、琉球語が日本語と同系統の言語になり両者は日琉語族を形成する。
琉球列島(旧琉球王国領域)の言葉は、日本語と系統を同じくする別言語(琉球語ないしは琉球諸語)とし、日本語とまとめて日琉語族とされている。共通点が多いので「日本語の一方言(琉球方言)」とする場合もあり、このような場合は日本語は「孤立した言語」という位置づけにされる。
→「日琉語族 § 概要」、および「日琉祖語 § 日琉の分岐」も参照
日本語(族)の系統については明治以来様々な説が議論されてきたが、いずれも他の語族との同系の証明に至っておらず、不明のままである[26][27][28][29][注釈 11]。
アルタイ諸語との関係
アルタイ諸語の分布
アルタイ諸語に属するとする説は、明治時代末から特に注目されてきた[30]。その根拠として、古代の日本語(大和言葉)において語頭にr音(流音)が立たないこと、一種の母音調和[31]が見られることなどが挙げられる。古代日本語に上記の特徴が見られることは、日本語が類型として「アルタイ型」の言語である[32]根拠とされる。アルタイ諸語に属するとされるそれぞれの言語の親族関係を支持する学者のほうがまだ多いが、最近のイギリスではアルタイ諸語の親族関係を否定する学者も現れている[33]。
→詳細は「日本語の起源 § アルタイ語族説」、および「アルタイ諸語 § 構成言語と共通の特徴」を参照
朝鮮語との関係
朝鮮語とは語順や文法構造で類似点が非常に多い。音韻の面でも、固有語において語頭に流音が立たないこと、一種の母音調和が見られることなど、共通の類似点がある(その結果、日本語も朝鮮語もアルタイ諸語と分類される場合がある)。世界の諸言語の広く比較した場合、広く「朝鮮語は日本語と最も近い言語」とされている。ただし、閉音節や子音連結が存在する、有声・無声の区別が無い、といった相違もある。基礎語彙は、共通点もあるが、かなり相違する面もある。
→詳細は「日本語の起源 § 朝鮮語同系説」を参照
半島日本語との関係
紀元8世紀までに記録された朝鮮半島の地名(「高句麗地名」を指す)の中には、満洲南部を含む朝鮮半島中部以北に、意味や音韻で日本語と類似した地名を複数見いだせる[34]。これを論拠として、古代の朝鮮半島では朝鮮語とともに日本語と近縁の言語である「半島日本語」が話されていたと考えられている[35][36]。
「高句麗地名」より抽出される単語のうち日本語に同根語が見出しうるもの
原語 訓釈 上代日本語
漢字 中古音[注釈 12] 中期朝鮮漢字音[注釈 13]
密 mit mil 三 mi₁[37][38]
于次 hju-tshijH wucha 五 itu[37][38]
難隱 nan-ʔɨnX nanun 七 nana[37][38]
德 tok tek 十 to₂wo[37][38]
旦 tanH tan 谷 tani[37][38]
頓 twon twon
吞 then thon
烏斯含 ʔu-sje-hom wosaham 兔 usagi₁[37][38]
那勿 na-mjut namwul 鉛 namari[37][38]
買 mɛX may 水 mi₁(du) <*me [37][38][39]
美 mijX may
彌 mjieX mi
また、高句麗語に鉛(なまり)=那勿(ナムル)、泉(いずみ)=於乙、土(つち)は内、口(くち)は口次と呼んでいた記録があり、高句麗の武将である泉蓋蘇文は日本書紀で伊梨柯須彌(イリカスミ)と記録されていて、泉(いずみ)は高句麗語で於乙(イリ)と呼ばれていたことが分かる。件の地名が高句麗の旧領域内に分布していることから、多くの研究は半島日本語は「高句麗語」であるとしている[34][40]。
Unger (2013)[41] によって想定された日本周辺の語族分布の変遷
伊藤英人は半島日本語(大陸倭語)を高句麗語とした上で、日本語と半島日本語は同じ祖語から分かれた同系統の言語であり、半島日本語集団から分かれた集団が紀元前900年から紀元700年にかけて水田農耕を携え日本列島に渡来したと考えた[36][注釈 14]。
なお、伊藤英人は半島日本語が京阪式アクセントと類似していることを指摘している[36]。
→詳細は「半島日本語」および「濊貊語」を参照
中国語との関係
中国語との関係に関しては、日本語は中国の漢字を借用語として広範囲に取り入れており、語彙のうち漢字を用いたものに関して、影響を受けている。だが語順も文法も音韻も大きく異なるので、系統論的には別系統の言語とされる。
→詳細は「日本語の起源 § 中国語同系説」を参照
アイヌ語との関係
アイヌ語は、語順(SOV語順)において日本語と似る。ただし、文法・形態は類型論的に異なる抱合語に属し、音韻構造も有声・無声の区別がなく閉音節が多いなどの相違がある。基礎語彙の類似に関する指摘[48]もあるが、例は不充分である[48]。一般に似ているとされる語の中には、日本語からアイヌ語への借用語が多く含まれるとみられる[49]。
→詳細は「日本語の起源 § アイヌ語同系説」、および「アイヌ語 § 他の言語との近縁関係」を参照
その他
南方系のオーストロネシア語族とは、音韻体系や語彙に関する類似も指摘されているが、これは偶然一致したものであり、互いに関係があるという根拠はない[50][注釈 15]。
→詳細は「日本語の起源 § オーストロネシア語族説」を参照
ドラヴィダ語族との関係を主張する説もあるが、これを認める研究者は少ない。大野晋は日本語が語彙・文法などの点でタミル語と共通点を持つとの説を唱える[注釈 16]が、比較言語学の方法上の問題から批判が多い[注釈 17]
→「タミル語 § 日本語クレオールタミル語説」、および「大野晋 § クレオールタミル語説」も参照
また、レプチャ語・ヘブライ語などとの同系論も過去に存在したが、これに関してはほとんど疑似科学の範疇に収まる[48]。
→「日ユ同祖論 § ヤマト言葉とヘブライ語の類似」、および「イスラエルの失われた10支族 § 失われた10支族の行方」も参照
Wikipedia (最終更新 2025年6月6日金)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E#%E6%9D%B1%E8%A5%BF%E3%81%AE%E6%96%87%E6%B3%95
☆ Search Labs | AI による概要
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国語(こくご)とは、ある国で共通語または公用語として用いられる言語のことです。日本では、一般的に「国語」は「日本語」を指し、学校教育における教科の一つでもあります。また、国語は、国民の文化やアイデンティティを形成する上で重要な役割を果たしています。
より詳しく説明すると、以下のようになります。
1. 国民の共通語・公用語:
国語は、その国を代表する言語であり、国民にとって共通のコミュニケーション手段として機能します。
公的な場面(行政、教育、メディアなど)で使用される言語でもあります。
多言語国家では、複数の言語が国語として認められることもあります。例えば、スイスではドイツ語、フランス語、イタリア語、ロマンシュ語が国語とされています。
2. 日本語としての国語:
日本では、一般的に「国語」は「日本語」を指します。
学校教育における「国語」の教科は、日本語の言語文化を学ぶことを目的としています。
「国語」の学習は、単に日本語を話せるだけでなく、文章を理解し、表現する能力を養い、日本人としての教養や思考力を高めることを目指します。
3. 国語の役割:
個人:
国語は、思考力、表現力、コミュニケーション能力を養う基盤となります。また、感性や情緒を育み、自己形成に深く関わります。
社会:
国語は、文化を継承し、社会を維持・発展させるための基盤となります。また、社会の変化に対応するための重要な役割を果たします。
文化:
国語は、その国の文化や歴史を伝える上で重要な役割を果たします。文学作品や伝統的な言葉を通じて、文化を理解し、継承することができます。
4. 国語と日本語の違い:
「国語」は、国民の言語という意味で、その国を代表する言語を指します。
「日本語」は、日本で使用されている言語そのものを指します。
日本では、一般的に「国語=日本語」と認識されていますが、多言語国家では、国語と日本語は異なる概念となります。
このように、「国語」は、単なる言語としての意味だけでなく、国民の文化やアイデンティティ、思考や感情、社会の基盤となる、多岐にわたる重要な概念です。
国語ページ開設 2025年05月10日(土)
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